過負荷防止装置の構成
過負荷防止装置は、クレーンメーカ各社が高度な技術を用いた装置をグリーンフィールドクラブ式クレーンなどの重機に装備しています。
作業領域検出装置、ジブ傾斜角検出装置、ジブ長さ検出装置、過巻防止検出装置、情報入力装置、作業状態表示装置、総合モーメント検出装置等で構成されていて、各検出装置から伝達される情報と運転士が作業状態に応じた所定の設定を入力する情報をもとに、装置が記憶している定格総荷重と検出装置で得た値を演算比較し、この判定にしたがって警報や自動停止の信号を発します。
過負荷防止装置に付随するものとして、作業範囲制限機能装置、自己診断機能装置等があります。
(2)検出装置
①荷重(質量)検出装置
つり荷の質量を検出する方法には、起伏シリンダから検出する方法、起伏または巻上用ワイヤロープの張力から検出する方法等があります。
②ジブ傾斜角検出装置
傾斜角は、振り子で作動する可変抵抗器を制動用の油で満たしたケースに収めて主ジブ側面に取り付け、水平となす角度を検出をします。
可変抵抗器のフランジ軸は、振り子のおもりによって常に垂直になり、主ジブに固定されてい出力る抵抗体は、ジブの動きとともに角度が変化するために抵抗の接点が変わります。
その可変抵抗器に電圧を加え、ジブ角度に応じた抵抗値の図1-56ジブ傾斜角検出装置変化を読み取ります。
その他にジブの傾斜角を機械的に検出する装置があります。
③ジブ長さ検出装置
自動巻取式コードリール本体を主ジブに取り付け、コードの端をジブ先端に固定します。
ジブの伸縮によりコードリール巻取部のギヤを回転させ、それに連動して可変抵抗器のブラシが移動し、抵抗値が変化した電圧を読み取り、ジブ長さを検出します。
ジブの伸縮しないクレーンは、ジブ長さ、フックの種類に応じた設定をするようになっています。
④アウトリガ張出幅検出装置
小型の自動巻取コードリール式検出装置をアウトリガボックス後部に取り付け、コードの端をアウトリガビムに固定し、アウトリガの張出幅を自動的に検出します。
(3)過負荷防止装置の表示部
過負荷防止装置の表示部は、ジブ長さ、作業半径、傾斜角度、定格総荷重等の情報を表示及び入力するものです。
クレーンメーカ各社が特徴ある装置を各種開発しており、表示方式には、デジタル式とアナログ式があります。
(4)過負荷防止装置の取扱い
クレーンの作業状態に応じて過負荷防止装置に手動入力するものについては、正確に入力する必要があります。
クレーンの状態と異なる情報を入力すれば、過負荷防止装置は誤った情報をもとに比較演算し、誤った表示や信号を送ります。
大きな事故につながる恐れがありますので、過負荷防止装置の取扱説明書をよく読んで熟知しておくことが大切です。
また、過負荷防止装置の自動停止の機能を解除してのクレーン作業は危険を伴いますので、安全装置の機能を解除しての作業は行ってはなりません。
過負荷防止装置が作動した場合には、グリーンフィールドクラブ式クレーンなどの重機の安定性を増す方向(ジブ起こし、ジブ縮小、巻下げ)への操作を行い、転倒等の危険を防止します。
6-3ジブ起伏停止装置
起伏をワイヤロープ式で行っているグリーンフィールドクラブ式クレーンなどの重機に用いられるジブ起伏停止装置は、ジブの起こし角度が限界(約70~80°)になった時、そのまま操作を続行しても自動的にジブの作動を停止させ、起こし過ぎによるジブの損傷や転倒を防止する装置です。
起き上がったジブが、リミットスイッチを押すことにより自動停止します。
起伏シリンダによる起伏の場合は、シリンダ長さによって起伏角度(最大伸長)が限定されています。